機密文書の「安全な終活」:情報が漏れる心配を限りなく低減する『安心への投資』

2025/11/21

どんな書類にも必ず「さよならする日」(法律で決められた保存期間が終わる日)が来ます。

 

データなら「削除ボタン」で簡単に終わりますが、問題は、山積みの紙の書類です。

書庫の隅で眠っている大切な書類は、実は「盗まれたり、なくしたり」という最後まで残る物理的なリスクを抱えています

人生の「終活」と同じように、この最後の片付けこそ、私たちが一番「安心」のためにお金を使うべき大事なポイントになります。

大切な書類が抱える情報漏洩の心配:紙ならではの性質

紙の書類に最後まで残る物理的なリスク

 データなら、正しい手順を踏めば完全に消すことができます。

でも、紙の大切な書類は、引き取ってもらう瞬間から処理が終わるまで、ずっと「盗難」や「紛失」といった物理的なリスクにさらされ続けます。

もし、情報が入った段ボール箱が、運んでいるトラックの荷台や業者の倉庫で、誰にも見られていない時間があったらと想像してみてください。

完全に処理されなかったために中身が元に戻されてしまい、会社の信頼に関わる情報漏洩につながる可能性はゼロではありません。

 

廃棄を「費用」でなく「安心を買うためのお金」と考える大切さ

 どの書類をいつまで保管するべきかを明確にし、不要となった書類を処分するということは、ただ「コストを下げる」ことではなく、「安心を手に入れる」とも言えるでしょう。

 

廃棄を、未来の安心を守るための「投資」として捉えて、紙の書類が抱える最後のリスクを最小限にしましょう。

 

心配をなくす「見える化」:中身がわかる廃棄のやり方

 リスクを最小限に抑えるには、廃棄のプロセス全体をしっかり管理し、「どこで、誰が、何をしているか」をハッキリと見せること、つまり透明性を確保することが欠かせません。

 

廃棄の方法:溶解処理と破砕処理の賢い選び方

 大切な書類を捨てる方法は、大きく分けて「溶解処理」と「破砕処理」の二つがあります。

 

・溶解処理: 書類の入った箱を開けずにそのまま水に溶かして、紙の原料(パルプ)としてリサイクルする方法です。

元の情報に戻すのが極めて難しく、環境にも優しいという大きな利点があります。

 

・破砕処理: 業務用のシュレッダーより細かく、速く細かく切る方法です。

物理的に細断するため、万が一の復元リスクを低減するためには、細断サイズを規定し、厳格に管理することが大切です。

 

たくさんの大切な書類を定期的に処分する場合は、環境への配慮とセキュリティの高さから、箱を開けずに処理できる溶解処理を選ぶのがおすすめです。

宅配便のように「今どこにあるか」を追える仕組み(トレーサビリティ)

 ネットショッピングの荷物を追跡するように、大切な書類も一つひとつの作業を記録し、お客様に「今、どこにあるか」を伝えられるトレーサビリティ(追跡できること)が、透明性の鍵となります。

 

・集荷時の封印と確認: 専用の箱に書類を詰め、セキュリティシールなどでフタをして、箱の数と番号を正確に記録。

 

・運ぶ道のりの記録: GPS追跡機能付きの車や、鍵をかけられる箱で運送。

 

・処理作業の記録: 処理施設に着いた時間、溶解炉や破砕機に入れた時間、できれば監視カメラの映像も記録。

この徹底した記録こそが、お客様の「安心」の裏付けとなり、情報漏洩の心配をなくす最初のステップになるのです。

 

「心配」を「確信」に変える:業者選びとチェック

 外部に依頼する廃棄作業は、契約したら終わりではありません。委託先のチェックを行うことと信頼関係がとても大切です。

情報の安全を守ってくれる業者を選ぶ基準

 「費用が安いから」という理由だけでセキュリティの低い業者を選ぶのは、会社にとってリスクを抱える結果となるかもしれません。

信頼できる業者を見つけるには、以下の点を必ず確認しましょう。

 

・Pマーク/ISMS認証があるか: 情報管理の仕組みが第三者によって評価され、一定の基準を満たしているか。

 

・自社で最後まで行うか: 集荷から処理までをすべてその会社かグループ内で行っているか。

他の会社に再委託することは、リスクを高める原因になります。

 

・処理施設の安全対策: 施設への人の出入りの管理監視体制、まだ処理していない書類が鍵のかかった場所に保管されているか、が徹底されているか。

廃棄が終わった証明書と、定期的な立ち会いチェック

 廃棄サービスを使う一番の目的の一つは、監査に対応できるようにすることです。

処理が終わった後に発行される「溶解証明書」は、いつ、何を、どのように捨てたかを証明する、大切な証拠になります。

 

さらに、業者に対して定期的にチェックしたり、処理の場に立ち会ったりして、契約通りに安全対策が実行されているかを自分の目で確かめることが大切です。これこそが、「安心」を「確信」に変える最後の仕上げです。

 

まとめ

大切な書類を捨てることは、単に場所を空けるための作業ではありません。それは、会社が負うべき最後の情報漏洩のリスクをなくすための、最も大切な情報セキュリティ対策なのです。

この記事は2025年11月21日時点の記事です。

文書保管サービス営業担当

この記事の著者

文書保管サービス営業担当

単に書類をお預かりするだけではなく、お客様の文書管理の悩みを解決する文書管理コンサルティングも行う

書類・文書の保管サービス‐スマート書庫

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