いまさら聞けない!ファイルフォーマット

2022/05/09

「文書の電子化をしよう!」、「デジタルでデータを保存しよう!」などと考えると、必ずPDFで保存するとか、JPEGで保存するなど、ファイルフォーマットについて考えます。あまりにも自然にファイルフォーマットについて考えているので、具体的にどのようなものかをいまさら聞けない場合もあるのではないでしょうか。
ごく一般的に使われている文書関連と画像関連のファイルフォーマットについて再確認をしていきましょう。

◆ファイルフォーマットとは

ファイルフォーマットを広辞苑で調べると、「データをファイルに格納するときの記録形式。ワープロや表計算などのアプリケーションソフトでは,それぞれ独自のファイル形式でデータを記録するものが多い。一方,テキストファイルや,BMPやJPEGといった画像ファイルなど,多くのソフトで扱われる汎用的なファイル形式もある。」と記載されています。
よく拡張子と呼ばれるファイル名のうしろにつけられている「.xxx」の部分がファイルフォーマットと同じと考えている方も多いのですが、厳密にいうと違うものです。詳細な説明はここでは省略しますが、このコラムでは「ファイルフォーマットが同じであれば、同じ拡張子が使われている」という設定で説明をしていきます。

◆ファイルフォーマットの種類

ほとんどのデジタルのファイルには拡張子がつけられています。拡張子はドットのあとにつく、2桁から4桁の英数字によって決められています。そして、この拡張子によって、書かれているデータが利用できるアプリケーションが決まってきます。

 

世の中に拡張子はどれくらい存在しているのでしょうか。実際に数えてみると3,400個近く存在しています。これだけ多くの拡張子が存在しているとなると、デジタルでデータを保存するためには、より一般的なファイルフォーマットを選択しなければ、あとで開くことができないという事態になってしまいます。
より一般的なファイルフォーマットとはISOなどの国際機関で認められたフォーマット(JPEG、MPEG、PDFなど)、ディファクトスタンダードになっているフォーマットで一般的になっているアプリケーションに使われているフォーマット(エクセルやワード)があります。

 

では、一般的なフォーマットとは何なのでしょう。一番、簡単な方法は何らかのアプリで作成したデータを保存するときに選択できる拡張子を確認することです。保存するときに「名前をつけて保存」、もしくは「名前をつけてエクスポート」を選択すると、どのフォーマットで保存するのか、エクスポートするのかのプルダウンメニューが出てきます。
この中にあるファイルフォーマットが比較的一般的なものと考えると良いでしょう。

◆一般的なファイルフォーマット(文書関連)

文書関連で一般的なファイルフォーマットとはどんなものがあるのでしょうか。読者の多くの人はマイクロソフトのワードとエクセルを使っていると思います。ここから作成した文書を保存する画面でファイルフォーマットを確認してみましょう。

 

◇ワードを保存するときにフォーマットを選ぶ画面(ワード2019の場合)

ワード画像

「ワード(*docx)」はワードを保存するためのファイルフォーマットですが、それ以外に「PDF(*.pdf)」、「Webページ(*.htm;*html)」、「書式なし(*.txt)」というフォーマットはよく使われるフォーマットです。

 

では、ワードで作ったファイルを、それぞれのフォーマットで保存したものを開けるとどうなるのか試してみましょう。

ワード画像2
 
ワード画像3

①はワードで保存されたフォーマットをワードで開いた場合ですので、書式などすべての情報の再現ができます。
②はワードで作られた文書をPDF形式で保存しているので、見た目はほとんど同じスタイルで再現されています。開くために使用したアプリケーションはアドビのPDFリーダーです。
③はウェブページのフォーマットで保存したものをブラウザで再現しているのですが、書式は違っています。また、再現方法もグーグル、マイクロソフト、ファイヤーボックスのブラウザで開くことになります。上の例はグーグルで開いています。
④はテキスト情報のみを保存します。画像の情報などは保存できません。そのかわり保存されているテキストの情報は多くのアプリケーションで使うことができます。上の例はテキストで保存された情報をマイクロソフトのメモ帳で再現したものです。

 

◇エクセルを保存するときにフォーマットを選ぶ画面(エクセル2019の場合)
ではエクセルで作ったファイルを保存する時には、どのような選択肢があるのか見てみましょう。表示された選択肢のコピーが下の図です。

ワード画像4

この中でよく使われているファイルフォーマットはエクセルのフォーマットの(*.xlsx)と既に紹介した(*.pdf)、(*.htm;*.html)、(*.txt)に加えて、「CSV(コンマ区切り)(*.csv)」が多く使われています。xlsxはエクセルでしか開くことができませんが、CSVは他のアプリケーションでも開くことができます。従って、重要なデータはCSVで保存している場合もあります。但し、CSVはテキストデータで保存されているので、グラフなどの情報は保存できません。

 

尚、CSVで注意が必要なのは、パソコン上で使われているアイコンの図柄が似ていることです。下の図の左がエクセルで保存したファイルで右がCSVで保存したファイルのアイコンです。よく似ていますよね。このアイコンからエクセルとCSVが同じファイルであるような勘違いをしている場合もあるので注意しましょう。

エクセル画像

◆一般的なファイルフォーマット(画像関連)

画像関連で一般的に使われているファイルフォーマットはどのようなものでしょうか。多くの読者の皆さんはJPEGファイルを思い出されるでしょう。スマホやデジタルカメラで保存しているファイルを見ると拡張子はJPEGが使われています。(iPhoneでは設定により違うフォーマットを使っています。)

 

では、他にどのようなファイルフォーマットが一般的なのでしょうか?プレゼン資料を作る場合によく使われるパワーポイントを保存する場合に出てくるファイルフォーマットを見てみましょう。

ファイル画像

このリストの中で比較的使われているファイルフォーマットは以下のようになります。

・ JEPGファイル交換形式(*.jpg)
・ PNGポータブルネットワークグラフィック形式(*.png)
・ TIFF形式(*.tif)
・ デバイスに依存しないビットマップ(*.bmp)
・ GIFグラフィックス交換方式(*.gif)
これらはパワーポイントで作成したデータを画像情報として他でも使えるようにします。

 

また、画像の場合、画質は重要です。それぞれのファイルによって画質の違いがあります。画質の良さを順番に並べてみると次のようになります。

GIF<JPG<PNG<TIFF<BMP
それぞれのファイルフォーマットについて簡単に説明しましょう。

▼GIF

GIFのデメリットは、色数が256色と少ない点です。画像や動画の容量を小さくするために色数を減らしたので、写真のように色数が多い画像の表示には不向きです。一方、容量を少なくできるので、色数の少ないイラストやロゴマークなど、シンプルな画像に向いています。
最近、スマホなどで動く絵文字などが流行っていますが、これもGIFを使うケースが増えています。

▼JPG

画像としては最も一般的なファイルフォーマットです。写真などに向いています。非可逆のデータ圧縮方式を使っていて、情報を圧縮するときに一部の画像データを廃棄してしまうので、細かな画像データをそのまま保存したい場合には適しませんが、ファイルサイズは比較的少なくなります。

▼PNG

JPGと違って、可逆圧縮方式なので、圧縮した画像データを復元することができますが、容量がJPGに比べて大きくなってしまいます。また、JPGと違って背景透過が可能です。JPGとPNGの背景透過は後で簡単に説明します。

▼TIFF

TIFFはデータを圧縮しないファイル形式なので、画質を劣化させることなく編集・印刷できますが、圧縮をしないのでファイル容量が大きくなります。また、ウェブでは使用できないので利用範囲は少なくなります。
画像のオリジナルデータとして保存する場合に使われます。

◇JPGとPNGの使い分けのヒント

パワーポイントなどで画像を貼り付けたときにJPGの場合、背景にあるものが白く隠されて困ったことがありませんか。JPGとPNGを使い分けることで悩みを解決できることがあります。下の図を見てください。背景の透過の違いがわかります。
このウェブサイト「すましょの鍵」のロゴをコピーしてJPGとPNGでそれぞれ保存し、そのあと、砂浜の画像に貼り付けたものです。

 
すましょ画像

JPGの場合は背景が白くなっていますが、PNGの場合は後ろの背景が透過しています。おわかりいただけると思います。このようにJPG画像とPNG画像をうまく使い分けてください。

他にも頭に入れておいた方が良いファイルフォーマットがあります。

◇画像関連

最近はパンフレットやチラシを作る際に、ネットで注文ができるシステムが増加しています。今までなら印刷会社の人が原稿を印刷したものを持ってきて、それをチェックして必要部数を注文する方式でした。
ネットで注文する場合は原稿を自分で作る場合も多くなっています。その時にデータを以下のようなファイルフォーマットで作るように指示されることがあります。このデータを作るためには別途、特別なアプリケーションが必要になるので概要だけ説明します。もし、このようなファイルでデータが送られてきたときには一般的に見ることができるJPGやPDFなどのフォーマットも併せて送ってもらうように依頼しましょう。

▼PSD

アドビの画像編集ソフトのフォトショップで作られた画像データのファイルフォーマットです。フォトショップは画像の編集では一般的なアプリケーションです。ファイルの表示は(*.pdf)になります。

▼AI

アドビのイラストレーターというアプリケーションで作られたファイルフォーマットで、印刷などの原稿はほとんどこのファイルフォーマットで作られています。表示は(*.ai)となります。

◆まとめ

オフィスでよく使われる文書と画像に関するファイルフォーマットを中心に説明してきました。この記事で紹介している文書や画像関連のファイルフォーマット以外にもフォーマットは多くありますが、できるだけ互換性のあるものを使うようにすると安心です。
文書や画像関連以外にも、圧縮用のZIPファイルや映像や動画関連でよく使われるファイルフォーマットがあります。これらについては別の機会に説明する予定です。

 

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この記事は2022年5月9日時点の記事です。

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