保育園への提出書類「就労証明書」の準備方法・注意点とは
2023/02/16
お仕事や妊娠などの理由から子供を保育園へ預けたい場合、手続き書類の1つとして「就労証明書」の提出が求められます。
「就労証明書」は、ご自身の就労状況や給与などについて細かく記載するもので、原則就労先に作成してもらいます。
また事実と異なる内容を記載した場合、入園拒否だけでなく就労先にもペナルティが課せられることもあります。
なぜ、細かく就労形態や勤務日数など記載しなければならないのか、疑問に感じた方もいらっしゃると思います。
当記事では、「就労証明書」の書き方と提出までの手順、提出における注意点について解説します。
これから「就労証明書」を提出する方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
保育園へ提出する「就労証明書」とは?
就労証明書とは事業者等が従業員の就労状況を証明する書類で、これにより日中育児対応ができない状態であることを証することができます。「勤務証明書」または「就業証明書」と呼ばれることもあります。
通常は保育園または各自治体から指定された書類に記載し、決められた日時までに提出します。
大切な書類なので、正しい記載方法や提出時期について把握しましょう。
なぜ就労証明書の提出が求められるのか?
保育園は、お仕事や妊娠などの理由から、育児に専念できない方が一時的に子供を預けるための施設です。
誰でも入園が認められている3~5歳の子供が対象の「幼稚園」とは異なり、保育園はあくまで家庭に替わって子供を保育する施設であるため、入園希望者にはある程度の優先順位が設けられています。
そのため、どうしても育児に携われない状況であることを証明する「就労証明書」が求められます。
ご自身の現在の就労状況や受け取っている給与について正確に記載する必要があります。
就労証明書を提出するタイミング
毎年4月に入園する場合、「就労証明書」は前年の10~11月頃に提出します。
また4月に入園する保育園では、一般的には以下のようなスケジュールで申し込みが行われます。
申し込み手引きの配布 |
前年の10月上旬~ |
入園の申し込み開始 |
前年の10月中旬~ |
就労証明書の提出 |
前年の10月中旬~11月の下旬 |
「就労証明書」は、就労先に記載して頂く、かつ自宅や勤務所在地へ送付する時間も考慮する必要があります。期限ぎりぎりになってから就労先へ記載をお願いした場合期日までに提出できない事もあるため、早めの準備が必要です。
また「就労証明書」は、入園時のみではなく、毎年提出が求められます。
さらに、転職や休職など、就労状況に変化が起こった際も提出する必要があります。
何度も提出する可能性があるため、提出方法や記載方法について理解しておきましょう。
「就労証明書」の書き方について
「就労証明書」は、原則ご自身ではなく、勤務先にほぼすべての欄を記載してもらう必要があります。
しかし勤務先を持たない自営業やフリーランスの方の場合や、夫婦別居または育休中の場合など、就労形態や現在の生活状況により記載方法が異なります。
「正社員」の場合
就労証明書は働いていることを証明するための書類なので、本人による記載欄以外は基本的には勤務先の担当部署へ記載してもらいます。
しかし、担当部署が遠方にある場合や業務が忙しい時期と重なっている場合は、書類が返送されるまで時間がかかる可能性があります。できるだけ余裕をもって記載の依頼をしましょう。
「アルバイト・パート社員」の場合
アルバイト・パート社員の場合も、勤務先に依頼して就労証明書に必要事項を記載してもらいます。
余裕をもって書類の記載を依頼することは正社員と同様ですが、シフト勤務などで出勤日が少ない方は特に気を付けましょう。
また保育園へ入園するためには、保育園や地区により労働時間に条件が設けられている場合があります。
例えば、東京都中野区ならば月に48時間以上の労働時間が必要で、労働時間が長い方から優先的に入園できるよう取り決めています。
「自営業・フリーランス」の場合
自営業やフリーランスの場合は、就労証明書の発行を依頼できる勤務先がありません。
その場合は、ご自身で就労証明書を記載する必要がありますが、もし業務委託契約を交わしている委託先で就労証明書を記載いただける場合は、会社員と同様にご自身で記載する必要はございません。
さらに、直近の確定申告書(一表・二表)または源泉徴収票の写しも併せて提出します。
「育休取得中」の場合
育休取得中でも勤務先に就労証明書の記載を依頼できます。
就業証明書を勤務先へ郵送で送付し、必要事項を記載して返送してもらいます。
送付する際、以下について記載した用紙を併せて送付することをお勧めします。
・自身の所属部署
・就労証明書はいつまでに手元に欲しいのか?
・返送先の住所連絡先
「夫婦別居」している場合
相手の単身赴任など、何らかの事情で別居している場合があるでしょう。
その際に二人とも異なる市区町村内に住民票がある場合は、就労証明書と源泉徴収票が必要です。
保育料は住民税により決まるため、正確な課税情報が必要です。
夫婦別居している場合は、就労証明書と源泉徴収票をどちらかがまとめて提出する必要があります
(一方から必要書類が回収できない場合、市区町村によっては「ひとり親であることの申立書」などの措置をとっているところもあります)。
就労証明書を提出する手順
「就労証明書」を入手してから提出するまでの手順について説明します。
書類の入手
「就労証明書」は、各自治体の公式サイトからダウンロードできます。
パソコンで書類に文字を打ち込んでから印刷してもよいですし、印刷をしてから手書きで記載しても構いません。
就労先に記入を依頼する
ご自身の入力欄を記載し終わった後は、就労先の担当者へ記載を依頼します。
また最近では就労先の押印を不要としている自治体がほとんどです。
就労証明書には期限が設定されている場合が多いため、期限が切れて提出できない状態にならないようにしましょう。
各自治体の窓口に提出
「就労証明書」を記載したら、指定された自治体の窓口へ提出します。
提出する方法は、受付窓口まで直接持参してもよいですし、郵送することもできます。
また自治体によってはインターネットで提出できる場合があります。
自治体独自のサービスを提供しているところもあれば、デジタル庁「マイナポータル」で書類作成および申請までできる場合もあります。
窓口まで持参する手間や、郵送代を負担しなくて済むため、ご自身が住む場所の自治体が、インターネットで提出できるか確認しましょう。
就労証明書の作成・提出における注意点
「就労証明書」の作成・提出において不備があると、トラブルまたは入園を断られる場合があります。
注意点について理解し、スムーズな申し込みができるようにしましょう。
仕事を辞めても猶予期間がある
保育園は、仕事に就いているまたは妊娠などにより育児に専念できない方のための施設ですが、もし仕事を辞めた場合でもすぐに退園する必要はなく、多くの保育園では数か月程度の猶予期間が設けられている場合がほとんどです。
猶予期間の間にゆっくりお仕事探しやライフプランの立て直しに専念できるでしょう。
ただし仕事を辞めた後も、「就労証明書」に正しく状況を記載し提出する必要があります。
書類の提出は期限までに行う
「就労証明書」は、必ず期限までの提出が必要です。
期限までに提出しなければ、受け付けてもらえず来年の募集まで待たなくてはなりません。
しかし相談したり事情を説明したりすることで、窓口の方から期限を延ばしてもらえる場合もあります。
就労証明書は預けるお子さんの人数分が必要
「就労証明書」は、保育園へ預けたい子供の数だけ書類の提出が必要です。
自治体によっては1枚のみでよい場合、あるいは2枚目以降はコピーによる提出を認めている場合もあるため、兄弟を預ける場合の提出について、あらかじめ確認しておきましょう。
就労証明書には正しい内容のみ記載する
「就労証明書」の内容は、事実のみ記載しましょう。
働いていないにもかかわらず働いているかのような記載をしたり、従業員でないにもかかわらず知り合いの企業に頼んで書いてもらったりした場合は、虚偽申請が発覚次第問題となります。
また知り合いに頼んで書いてもらった場合、記載した企業も同時にペナルティを受ける場合があります。
虚偽申請は、職場への電話や年末調整、税金の額などで必ず発覚します。
必ず正しい情報を記載しましょう。
まとめ
「就労証明書」の書き方や提出する手順、注意点について解説しました。
保育園は、お仕事や妊娠などの理由から、育児に専念できない方が一時的に子供を預けるための施設です。
入園にはある程度の優先順位が付けられるため、就業状況を説明し、入園を認めてもらう必要があります。
「就労証明書」には就業先の協力も必要なため、できるだけ早めの準備がおすすめです。
また書類は必ず正確な情報を記載し、誤りがないか確認してから指定の窓口へ提出します。
「就労証明書」は入園だけではなく毎年、および就業状況が変わるたびに提出する必要があるため、スムーズな申請ができるようにしましょう。