マニュアル化と標準化の違い

2022/08/17

はじめに

「無駄を減らしなさい」「なんでそんなやり方してるの?」
そんな風に上司に言われたことはありませんか?(私はあります・・・)
仕事をしていくうえで、業務をいかに上手く回すか、時間も人員も限られた中で苦心されている方は多いと思います。業務整理をしたり属人化した業務を他者と共有する場合に、「マニュアル化」そして「標準化」という言葉が浮かびます。ですが具体的に「マニュアル化」「標準化」とはどのような状態を指すのか、曖昧ではないでしょうか。
今回はこの業務の「マニュアル化」と「標準化」について、お話しさせていただこうと思います。

マニュアル化とは

業務のマニュアル化というとマニュアル(手引書)の作成が一番に思い浮かぶ方も多いと思います。備忘録のような形で作成した手引書をマニュアルとして先輩から渡された方もいるかもしれません。そしてその手引書を修正したり自分自身で作業しやすい手順を記載してマニュアルと呼ぶ場合も。時には、同じチームの全員がそれぞれ異なる手順のマニュアルを持っている、ということすらあります。この業務は果たしてマニュアル化されているといえるのでしょうか。ここで、マニュアル化の意味について見てみましょう。

 

【マニュアル化】

作業などで手引きを作成し、誰でも同じ手順や効率で作業できるようにすること、
などの意味の表現。個人の技量に依存しない業務体制作りのひとつ。

(weblio国語辞典より)

 

これによると、本来のマニュアルというのは、誰が見ても、誰が作業しても同じ手順や効率で作業できるように記した手引書を指します。そうすると、同じチームの中で皆が違う手順の手引書で作業している状態は、業務のマニュアル化がされているとはいえない、ということがわかりますね。また、同じマニュアルを共有していても、それを使用せず、作業工程や時間にばらつきがある状態も、マニュアル化がされていないのと同義です。
つまり、単にマニュアルを作成するのではなく、公式のマニュアルを定めそれに則って業務運営がされ、同じ効率で業務が行われているという状態になって、初めてマニュアル化されていると言えるのです。

標準化とは

標準化という言葉を聞く機会はマニュアル化よりも少ないかもしれません。簡単な例を挙げると、1日に1000個生産するネジの角度のズレが0度から15度までだったものを、角度のズレが10度以下のものをその製品の標準版として定め実現すること、それが標準化です。

 

【標準化】

1.標準に合わせること。また、標準に近づくこと。「まちまちの技術力を—する」
2.何もしなければ多様化・複雑化し、無秩序になってしまう事柄について、秩序が保たれる状態を実現するために、誰もが共通して使用できる一定の基準を定めること。製品やサービスの品質・性能・安全性・互換性の確保、利便性の向上、
試験・評価方法の統一などを目的として、統一された規格をつくる過程をいう。「商品の規格を—する」

(weblio国語辞典より)

 

業務のマニュアル化がチーム全員で同じマニュアルを共有し同効率で業務をこなせるようにする取り組みだとすると、業務の標準化は得られるアウトプットについての明確な基準を設け、それが確実に達成できる統一されたプロセスを構築する取り組みです。
標準化を実現するには、アウトプットの基準を定めること、そして業務プロセスの整理を行うことが必要です。マニュアル化がフローそのものについての取り組みであるのに対し、標準化はその目的をアウトプットに置いています。
また、標準化の特徴としては、一旦それが実現されれば終わりではなく、何度でも見直しを行い改善を重ねることにあります。標準化には終わりがないのです。

マニュアル化は標準化の卵

ここまで、マニュアル化と標準化についてお話ししました。
料理に例えると、マニュアル化は、マニュアルを見れば誰でも同じ手順、同じ時間でカレーを作ることができる状態です。標準化は、そのカレーの「美味しさ」の基準を明確に定め、その基準をクリアするカレーを常に誰でも作ることが出来るようマニュアルを整理してプロセスを定めていくこと、さらにその「美味しさ」の基準を常に更新していくことです。
つまり、マニュアル化というのは標準化の手法の一つであり、叩き台にもなりえるのです。
そのような目で見ると、日々の業務の中で個人が理解するために始めたマニュアル作りも、より明確な成果に結びつく業務改善につながっていく可能性を持っています。毎日の小さな業務のマニュアル作成も、視点の先にアウトプットを目的とした標準化を意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。

最後に

三井倉庫ビジネスパートナーズは、数々のお客様とのお取引を通して、文書の保管や電子化、事務処理、発送業務の代行などに関する、マニュアル化、標準化のノウハウを日々蓄積しております。組織での業務効率化、業務改善等でお悩みの際には、是非一度当社にご相談ください。

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参考URL:weblio国語辞典https://www.weblio.jp/

この記事は2022年8月17日時点の記事です。

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