契約書の保管方法を紹介!効果的な順番やファイリングを解説
2023/03/14
書類の電子データ化が進んでいますが、まだ紙の契約書を取り交わして保管する企業も少なくないでしょう。
また電子データでの契約書に切り替えても、これまで取り交わした紙の契約書を継続して保管する必要があります。
電子データ化には切り替えておらず、引き続き紙の契約書を取り交わしている企業も、これ以上枚数が増える前に改めて契約書のファイリングを見直してはいかがでしょうか?
当記事では、契約書の効果的なファイリング方法および電子契約の概要とメリット・デメリットについて解説します。
検索性が高く紛失リスクが少ない保管方法を探されている方は、必見です。
Contents
紙の契約書をファイルで保管する
契約書のやり取りを紙で行った場合、ファイルを用いた保管方法が効果的です。
文房具屋で販売されている一般的なファイルでかまいません。
しかしできれば契約月ごと、または案件ごとなど、あらかじめ定めたグループ別に使用するファイルを統一しましょう。
契約書は、交わした企業間で取り決められた規約や業務内容について記載された、取り扱いに注意が必要な重要書類です。
効率が良い安全な保管方法および保管時における注意点をご紹介します。
おすすめのファイリング方法
ファイリングとは、書類を適切に分類し、定めたルールに沿って保管することを指します。
まずは書類を分類する作業から着手しましょう。
契約書における分類方法には、以下の種類があります。
◆契約月ごとにファイリングする
月に、取り交わす契約書の枚数が多い場合に適しています。
月ごとのファイルを用意し、さらに企業名を五十音順に並べてそれぞれの契約書をファイルに収納します。
企業名が記載されたインデックスがあれば、なお検索性が向上するでしょう。
◆企業別にファイリングする
企業ごとに取り替わす契約書の枚数が多い場合に適しています。
1つの契約先に1つのファイルを用意し、さらに契約月ごとに書類を収納します。
月が記載されたインデックスがあれば、なお検索性が向上するでしょう。
◆契約番号ごとにファイリングする
各契約書にユニークな番号を付与し、契約番号で管理する方法があります。
1~10または1~100で1ファイルなど、管理する番号の範囲を定めて管理します。
また同時に番号と契約書の内容を紐づけるリストを用意すれば、検索性が向上します。
さらに契約番号なら、電子データ化してサーバ上で保管する際、番号を検索するだけで該当の契約書が探せるため、将来、電子データ化する予定の企業に適しています。
検索性の向上を見越したファイリングがポイントです。
また各ファイルには必ずタイトルを付け、どのような契約書が含まれているか、リストを作成して同じ場所に保管すれば、契約書を探す際に便利です。
ファイルで保管する際の注意点
「契約書」は、以下の注意点を守り慎重に保管しましょう。
◆一つの部署で集中管理する
リスクを分散させるため、複数の部署や従業員が契約書を管理する方法もありますが、件数が増えるたびに管理責任者や管理場所が不明確になります。
また契約書を閲覧したり持ち出したりできる人間の増加は、セキュリティリスクの増加にもつながります。
一方で一つの部署のみで集中管理すれば、契約書に関する相談窓口も一つに絞ることができるため、ほかの従業員の作業効率も向上します。
また管理者を絞って特定の者のみ出入りできる場所へ保管すれば、セキュリティリスクが減少するでしょう。
◆穴あけパンチで穴をあけない
契約書に穴をあける場合、文字が記載されていない空白部部分なら効力を失うことがないため問題ございません。
ただし契約を交わした企業名などの重要な文字や、収入印紙などに穴が開いた場合、記載された文字が認識できなければ、契約書としての効力が失われる可能性があります。
また契約書内容を第三者の人間が確認する際、見栄えが悪い状態で提示することで、印象が悪くなる可能性もあります。
できるだけ契約書には穴をあけず、きれいな状態で保管しましょう。
◆「ボックスファイル」か「ポケット付きリングファイル」を使用する
契約書を保管するファイルは「ボックスファイル」か「ポケット付きリングファイル」がおすすめです。
理由はそれぞれ以下のメリットがあるためです。
ボックスファイル |
・フタつきなら紛失が防ぎやすい ・インデックスが付属している製品がある ・箱型で安定しているため棚の上に置きやすい ・おしゃれなデザインが多い |
ポケット付きリングファイル |
・ポケットに入れるため紛失が防ぎやすい ・ページをめくれば契約書内容が閲覧できる ・書類の汚れや折れが防止できる |
紛失リスクを抑えつつ、きれいな状態で保管するなら上記2種類のファイルがおすすめです。
しかし上部から押さえて止めるタイプのバインダーやクリアファイルなどは、外れて紛失する可能性があるため推奨しません。
◆施錠が可能な安全な場所に保管する
契約書が、悪意のある第三者に外部へ持ち出された場合、内容が改ざんされたり破棄されたりする可能性があります。
そのため、確実に紛失を防止できるよう施錠できる部屋に、鍵付きの棚へ保管します。
また従業員が無断で外部に持ち出すことがないよう、一部の管理者のみ出入りできる部屋が望ましいです。
◆契約書の保管に関するマニュアルを作成する
契約書の枚数が増えたり管理者が変わったりするたび、管理体制の統一が難しくなり、紛失リスクが増加します。
そのため保管に関するマニュアルまたは手順書を作成し、一定のルールに沿った保管を継続させましょう。
マニュアルには、主に以下の内容を記載します。
・契約書を保管する際の責任者と連絡先
・保管手順における作業ごとの内容と実施理由
・作業における注意点
・内容の作成または更新日時
特に、契約書の保管における責任者を定めることで、紛失等のトラブルが発生した際にスムーズに対応できます。
ファイルで保管する際のメリットとデメリット
紙の契約書ならファイル管理が一般的ですが、それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット |
・原本が閲覧できる ・検索方法をカスタマイズできる |
デメリット |
・保管スペースが必要 ・ファイリングする手間が発生する ・紛失や改ざんされるリスクがある ・検索に時間がかかる |
紙の契約書が増えるたび保管スペースが必要です。
契約日の翌日から5~10年間保管するよう、各契約書に関連する法律で定められているため、企業によっては数が膨大になります。
場合によっては保管スペースの確保のために部屋を借りている企業もあるでしょう。
そんなときには「文書保管サービス」を利用し、書類専用倉庫で保管を代行してもらう方法がおすすめです。
スマート書庫では毎月かかる費用は保管料100円/箱のみのため、契約書の保管スペースとして部屋を借りる場合よりもお得になる場合が多いです。
公式サイト『書類保管.com』のお申し込みボタンから申し込むだけでご契約が可能。1箱からお預かりできます。
専用ウェブサイトよりご依頼を入れて頂ければ、配送業者がお引き取り、お届けに伺います。
電子契約を利用して電子データで保管する
契約書は「電子契約サービス」を利用することで、電子データのまま取り交わせて保管できます。
電子データならリアルタイムで取引先へ送信できるため、取り交わしに必要な時間が大幅に短縮できます。
またインターネット上やパソコン端末内に保管するため、スペースが不要です。
電子契約の概要や、電子データにおける保管方法について解説します。
電子契約とは?
電子契約とは、電子データに互いの企業同士が署名することで、紙の原本と同等の効力が認められる契約を指します。
平成13年4月から施行された「電子署名法」のもと、電子契約により取り交わされた電子データにも、紙での押印や手書きの署名と同等に扱えることが認められています。
ただし紙の契約書と同等の効力を得るには、本人の意思に基づき作成されたものであることが条件です。
また電子契約を取り交わすには、主に以下の手順が一般的です。
1. 企業内に導入した電子契約サービスで、契約書を作成する
2. 作成した契約書を電子契約サービス経由で取引先企業へ送付する
3. 取引先企業が契約書内容を確認し、承認する
4. 契約締結が完了し、契約書が電子データの形で保管される
契約書の電子データは、通常なら電子契約サービスに付与されている保管システム内に保管します。
検索性に優れ、強固なセキュリティが施されているため自社のパソコン端末内で保管するよりおすすめです。
電子データで保存する際のメリット・デメリット
電子データにおける契約書の保管には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット |
・契約書の保管スペースが不要 ・検索性が高い ・安全性が高い ・紙やインク代などのコストが削減できる ・契約締結における期間が大幅に短縮できる ・印紙税が非課税(電子契約サービスで締結の場合) |
デメリット |
・電子契約サービスの導入が手間 ・すべての取引先が交わせるとは限らない ・導入後の電子契約サービスの変更が手間 |
電子データならば保管スペースが不要かつ安全性、検索性が高くなりますが、取引先企業の中には電子契約に抵抗を感じる、または操作方法がわからず紙の契約書が求められる場合もあるでしょう。
また電子契約サービスの導入には初期費用がかかり、業務フローを確立させる手間が発生します。
しかし今後は書類の電子データ化がますます進むことが想定されるため、長い目で見ると電子契約サービスの早めの導入がおすすめです。
まとめ
契約書の効果的なファイリング方法、電子契約の概要と電子データの保管方法について解説しました。
少なくとも5~10年間保管するよう関連する各法律で定められており、また保管期間は紛失リスクを徹底して避ける必要があります。
紙の契約書ならファイルを用いた保管が一般的ですが、スペースが必要なため、場合によっては「書類保管サービス」を利用するか早急な電子データ化への切り替えがおすすめです。
スマート書庫なら低コストで保管を代行してくれるうえ、書類の配送や集荷も簡単です。
また電子契約による電子データなら、スペースが不要になるうえ厳重なセキュリティのもと保管できるため安心です。
契約書を適切にファイリングし、検索性と安全性を向上させましょう。