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法定保存年限を過ぎても残すべき?「安心」のための文書管理術

2026/01/19

日々、オフィスの書類管理に向き合っている皆様、本当にお疲れ様です。書類管理をしていると必ず直面するのが「この書類、いつ捨てていいの?」という問題ですよね。

今回は、「法的な保存期間」を過ぎた後、あえて「取っておく」という選択肢を選ぶことについて、考えてみたいと思います。

はじめに:法律を守る、その一歩先へ

ビジネスにおいて書類を保管する最大の理由は、やはり法令遵守(コンプライアンス)です。

例えば税務調査に備えて7年、あるいは10年といった法的な保存期間、帳簿や領収書を大切に保管していることでしょう。

 

しかし、保存期間を過ぎた後、「法律上の期間は過ぎたけれど、これ、本当に捨てて大丈夫かな?」と、シュレッダーをかける手が止まってしまう瞬間はありませんか?

実は、書類の役割には「監査のため」という側面のほかに、「自社を守る」という側面があります。

今回は、法律で決まった期間をクリアした後、会社独自の判断で書類を保持する考え方について解説します。

絶対に捨ててはいけないではなく、持っておくとちょっと安心かも」という視点で整理してみましょう。

なぜ「法定保存年限」だけでは不十分な場合があるのか

法的に決められた保存期間が過ぎても書類が必要になるケースには、大きく分けて2つの理由があります。

法律の期限と「時効」のズレ

例えば、税務上の規定による書類の保管期間(原則7年、内容により10年)は、書類の保管期限を考える際に基準となりますが、これはあくまで、正しく納税していることを国に対して証明するための期限です。

 

一方で、それとは別に、会社同士のトラブルから身を守るための『民法』などのルールがあります。

ここで重要になるのが時効(権利が消滅してしまう期限)です。

現在のルールでは、契約上の権利は『行使できると知った時から5年、または権利行使可能時から10年』などで時効にかかるのが原則です。(2020年の民法改正以降)しかし、数年前の取引について、後から予期せぬ指摘を受ける可能性も否定出来ません。

税務上の義務は果たしたけれど、相手方とのトラブルが発生した際に、当時の合意内容を証明する手段がないという事態を避けるために、時効を意識した長めの保管が必要になるケースがあるのです。

 万が一のトラブルに備える「証拠」の価値

数年後に、「言った・言わない」の議論が再燃する可能性も考える必要があるでしょう。

特に長期的な取引や、複雑な条件が絡む案件で、当時の担当者が退職していることも考えられます。

そんな時、客観的な事実を証明してくれるのは、当時の契約書や合意文書です。

法定保存年限を過ぎていたとしても、その紙が一枚があるだけで、無用なトラブルを早期に解決できたり、会社の正当性を守れたりすることがあり、目に見えない「保険」のような役割を果たしてくれるのです。

あえて残しておくべき代表的な書類の例

具体的に、どのような書類を長めに持っておくと安心なのでしょうか。いくつか例を挙げてみます。

不動産・賃貸借関連の契約書

オフィスの賃貸借契約書や不動産の売買契約書などは、その契約が終了した後も数年間は保管しておくのが一般的です。

特に敷金の返還トラブルや、退去時の原状回復費用に関する議論は、契約終了から少し時間が経ってから発生することもあります。当時の特約事項や図面が残っていることで、交渉がスムーズに進む可能性があります。

知的財産や製品開発に関する記録

自社の独自技術やデザイン、ブランド名に関する書類は、法定保存年限に関わらず、期間を定めず保管する価値があります。

また他社から真似をしたのではないかという指摘を受けた際に逆に自社の独創性を証明するために、そのアイデアがいつ、どのように生まれたかを証明するような記録や、初期の契約書が極めて重要な意味を持ちます。

雇用・人事に関する重要な合意文書

退職金に関する記録や社員との合意、勤務実態に関する記録などは、公的な保管期間を過ぎても慎重に扱うべき分野です。

後年になって勤務状況の確認が必要になった際、記録が正確に残っていることは、企業としての誠実さと、リスク管理能力の高さを示すことにも繋がります。

「いつまで」を残すかを決めるためのマイルドな基準作り

念のため全部残そうとすると、今度は保管スペースが足りなくなり、管理コストが膨れ上がってしまいます。

大切なのは、自分たちなりの無理のないほどよい基準を持つことです。

リスクとコストのバランスを俯瞰する

すべての書類を保存期間を超えて保管する必要があるわけではありません。

・金額が大きい取引

・長期にわたる契約

・自社の根幹に関わる技術

こういったものに絞って「法定保存年限+5年」などといった独自のルールを設けるのが現実的です。

逆に、少額の領収書などは、法定保存年限が過ぎたものから順次廃棄を検討してもよいでしょう。

物理的な「原本」が必要なものを見極める

電子契約も普及していますが、過去の契約書や、特定の重要書類においては紙の原本が依然として強力な証拠となります。

電子契約も法的効力を持ちますが、過去の契約や係争対応においては、当時の『原本』の提示がスムーズな解決を助けるケースも依然として存在します。

すべてを紙で残すのは大変ですが、重要契約書の原本だけは箱に入れて外部倉庫へ、その他の書類はスキャンして破棄というように、グラデーションをつけて管理するのがスマートな方法ではないでしょうか。

おわりに:スマートな「残し方」が心の余裕を生む

書類を捨てるという作業は、決断を伴うため意外とエネルギーを使います。

法律で決まっているからという理由だけで機械的に処分するのも一つの手ですが、わが社にとってこの書類は、万が一の守り神になるだろうか?と一歩立ち止まって考えてみることも、大切な書類管理のプロセスの1つかもしれません。

 

もちろん、何でもかんでも溜め込んでしまっては、本当に必要な書類が埋もれてしまいます。

法定保存年限をベースにしつつ、自社の業態や過去の経験に合わせて、「プラスアルファの安心期間」を設定してみてください。そうして整理されたキャビネット(あるいは外部倉庫の箱)は、単なる紙の束ではなく、会社を支える心強い味方になるはずです。

 

もし社内のスペースが足りないけれど、安心のために取っておきたい、という書類が増えてきたら、その時はぜひ、私たちのような外部保管サービスを上手に活用してみてください。

 

※本記事執筆時点での一般的な情報に基づいた文書管理のヒントです。

実際の運用にあたっては、各法令や社内規定に照らし弁護士や専門家へ相談のうえで最終的なご判断をお願いします。

この記事は2026年1月19日時点の記事です。

文書保管サービス営業担当

この記事の著者

スマート書庫 事務局担当者

スマート書庫担当3年、文書管理担当者歴10年。 単に書類をお預かりするだけではなく、お客様の文書管理の悩みを解決する書類キャビネット削減サービス・1箱からの書類の電子化サービス、スマート箱スキャンを担当しています。

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