段ボールについて(後編)
2023/08/17
(前回「段ボールについて(前編)に続く内容になります。)
前回、段ボールについて(前編)では、段ボール箱とは何か、段ボール箱を選ぶときの目安についてお話しをしました。今回の後編では段ボール箱の強度の目安、強度を追求した時の意外な盲点についてお話しをしたいと思います。
段ボール箱の強度の目安
強度を考える時のポイントは大きく2つです。
1)ライナーと呼ばれる板紙の紙質
2)フルートと呼ばれる部分の厚みと波形の密度
それでは1)、2)について説明をしたいと思います。
1)について
ライナーは全部で3種類あります。
Dライナー : ジュートライナー(古紙含有率100%)
Cライナー : ジュートライナー(古紙含有率 90%以上)
Kライナー : クラフトライナー (古紙含有率 50%以上)
これは古紙含有率が少ないほど丈夫な紙と言われておりますが、最近では技術の進歩によりKライナーでも古紙含有率が90%を超えるものもあります。なので単純にD・C・Kの違いで考えればよいかと思います。ちなみに弊社で使用している段ボールはKライナーを使用しております。
2)について
フルートについては「段ボールリサイクル協議会」で載せている内容を参照させて頂きます。
※段ボールリサイクル協議会より
http://www.danrikyo.jp/publics/index/101/
上記の図にある記号ですが「WF」というものもあります。これはA段とB段を合わせたというように段の種類を2つ合わせたものになり強度としては最強の部類に入ります。
ただ書類保管ではそこまでの強度は必要ないので上記の「AF」・「BF」であれば問題ないと考えております。ちなみに弊社で使用している段ボールは「「AF」を使用しております。
強度を追求した時の意外な盲点
ここまで段ボールの強度についてお話をしてきましたが、強度が高いとそれだけ耐久性は高いのですが、反面弱い面もあります。
ズバリ、蓋の開け閉めの繰り返しです。
どうしても「強度が高い=段ボールシートが硬い」となるため、折り曲げを繰り返すうちに曲げている部分がひび割れを起こしやすくなります。
最近は蓋の開け閉めを想定して蓋を閉める時に折れ曲がる部分に特殊な加工や柔らかい素材を使用する手間をかけている段ボール箱もありますが、そういう物でも頻繁に開け閉めをした場合、長期間保管をしてますと、経年劣化によりだんだん水分が少なくなった段ボール箱は折れ目からひび割れを起こし蓋が破損、酷い場合には全体が破損する可能性があります。
それを防ぐにはそれぞれの保管状況に合わせて何年かに1回段ボール箱を入れ替えると入替サイクルを決めるのが一番適切です。
これは倉庫に保管する時だけではなく、オフィス内で保管する場合にも起きる話ですので、古い段ボール箱がある場合は外装の状態も含め一度ご確認頂くことをお勧めします。
最後に
今回は前編・後編と2回に分けて皆さまが身近で使用している段ボール箱に焦点を当て、ちょっとマニアックな内容も含めてお話をさせて頂きました。
前編でもお話しをしておりますが、段ボール箱に深い関りがある方でない限りここまで詳しくなる必要はない話にはなりますので、今回ここではお話しすることは参考程度、もしくは豆知識的な位置づけで読んで頂ければと思います。
ぜひ、皆様のお役立ち情報になればと思います。