マニュアルの作成、整備について
2021/09/13
はじめに
担当者が不在で代わりに業務をすることになり、やり方がわからずに困ったことはありませんか?最近の状況変化では、誰もが会社のオフィス・事業所で働くことやフルタイムで働くことが前提では無くなってきています。業務を誰でもできるようにしておくことは、このような状況下において必要となってきますので、今更ですが、マニュアルを整備する方法について、まとめてみたいと思います。
マニュアル整備に必要なこと
マニュアルを整備していくにあたり、個人個人で自由に作成すると品質・見た目などがバラバラになってしまいます。会社である程度統一できるようにした方が、利用しやすくなりますので、ルールを作成することをおすすめします。また、マニュアル整備をどのようにしたいかという目的も明確にしておくと、マニュアルを整備することが目的にならなくて良いかと思います。
1.マニュアル整備の目的
目的はそれぞれの会社の状況によって、変わっていくと思います。例えば、業務が属人化している場合は、業務の見える化をして誰でも業務ができるようにするなどということになるかと思います。また、各自でマニュアルは作成しているけど様式や項目がバラバラで見づらい、マニュアルはあるけど更新されていなので現状と合っていない・・・など、様々な課題がありますので、それぞれの課題に対して、どのようにしたいかを目的にすると良いかと思います。
2.マニュアル作成のルール
マニュアル作成のルールは、どの程度の粒度にしたいか、また、社内でうまくいく程度(自分たちで守る自信がある)を見極めて、作成することが必要となります。ルールですから、守れないとルールでは無くなってしまいます。今回は、あまり細かすぎないルールについて、記載してみたいと思います。
(1)分類
業務内容によるとは思いますが、例えば総務・経理など分類をつけておいた方が、わかりやすくなります。
(2)作成対象
どのような業務はマニュアル作成が必要、このような業務はマニュアル作成は不要というように定義をしておくと、ムダなマニュアル作成をしなくて良くなります。
(3)作成方法
実際にマニュアル作成するにあたり、必要となる項目の例を以下に記載してみます。自社の状況に応じて、要・不要を見極めていただければと思います。
①形式
どのような形式にするかをある程度決めた方が、統一感があって見やすくなります。下記の表①を参考にしていただければと思います。
表①
項目 | 例 | |
---|---|---|
1 | ファイル形式 | パワーポイント、エクセル、ワード |
2 | 向き | 縦、横 |
3 | 使用する文字 | サイズ、字体 |
4 | サイズ | A4サイズ |
②構成・章立て
番号のつけ方は、個人個人違うことが多いため、決めておいた方が、マニュアルが見やすくなると思います。
例:1、(1)、①、A、(A)
③必要となる項目・内容
マニュアルで必要となる項目・内容は、管理する上で必要となる情報と実際の業務内容があります。下記の表③を参考にしていただければと思います。
表③
項目 | 説明 | 例 | |
---|---|---|---|
1 | 表紙 | マニュアルの概要がわかるように表紙をつけます。また、管理もしやすくなります。 | タイトル、作成日・更新日、管理番号(ファイル名)、作成者・更新者、目次、マニュアルの目的、変更履歴 |
2 | 用語の説明・定義 | 一般的に使用しない言葉や社内用語、略称などは説明があるとわかりやすいです。 | – |
3 | 業務フロー | 業務全体の流れがわかるように業務フローがあるとわかりやすくなります。 | – |
4 | 内容 | 業務によって内容は様々になります。写真や図、画面コピーなどを入れて、見やすく・わかりやすくすると良いです。文字だけだとなかなか伝わりづらいです。 | やらないといけないこと・禁止事項、ポイント・コツ、基準時間、例外の対応方法、使用帳票、写真、画面 |
④注意点
マニュアル作成では、実際に使用するデータ・画面などを利用することが多いと思います。また、1つの工程・物などでも呼び方が複数あったりします。マニュアルを見る人が誰でも分かるようにするために、注意点を下記の表④にまとめますので、参考にしていただければと思います。
表④
項目 | 説明 | |
---|---|---|
1 | 情報管理 | 不要な機密情報・個人情報はマスキングする。 |
2 | 用語の統一 | 用語は統一、正式名称にする。ただし、長い場合は○○○○○(以下「△△」という)と略称を記載。 |
3 | 情報整理 | 項目・種類が多数ある場合は、記号化・一覧表にする |
⑤フォーマット準備
実際にマニュアル作成に使用するフォーマットをデータで準備しておくとマニュアルが作成しやすくなり、また、ルールが浸透しやすくなります。是非、フォーマットは準備しておきたいです。
(4)業務フロー
いろいろな工程を実施、複数の担当者で実施、複数のシステムを利用するなどといった場合は、業務フローを作成したほうが、業務全体の流れがわかりやすくなります。
3.マニュアルの維持管理
作成したマニュアルを活用していくには、維持管理していくことが必要となります。折角作成しても利用されなければ、もったいないです。
(1)保管方法
①台帳作成
どのようなマニュアルがあるのか分かるように台帳があると分かりやすくなります。台帳には作成済みのものだけではなく、これから作成するもの(未作成のもの)も記載しておくと、抜け洩れ防止にもなるため、おすすめです。
②ファイル名
作成したマニュアルのデータを管理していくにあたり、ファイル名も統一しておくとわかりやすくなります。また、台帳に記載している名称と同じにすると探しやすくなります。
例:管理番号+業務名称
③データ保管場所
作成したマニュアルのデータ保管場所は、共有しやすい場所で1カ所にまとめておくとわかりやすく・活用しやすくなります。個人個人でデータ保管しておくと行方不明になってしまうこともありますので、注意が必要です。
最後に
マニュアルを整備するにあたってのポイントをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?マニュアルは普段はあまり必要性を感じないかもしれませんが、新人教育・人事異動での業務引継ぎ、担当者不在のときなど、マニュアルがあって良かった!となります。特に新しく業務を覚える人にとっては、マニュアルがあるとわかりやすいし、安心しますよね。マニュアルを自動作成するソフトや作成代行する会社などいろいろなサービスがありますので、活用するのも良いかと思います。
当社では業務整理、見直し、運用代行などのアウトソーシングサービスを提供しています。業務で何かお困りのことがあれば、是非、下記のお問い合わせページよりご連絡いただければと思います。