文書保存とSDGs 【その2―文書保存とSDGs】

2022/03/22

その1で「SDGsとは何か」ということについてその概略を説明しました。今回は文書保存がどのようにSDGsに貢献しているのか、ということについて述べていきます。

◆文書とは

文書というと「紙」で作られた文書というイメージが強く、一般的に書類、資料、図面、伝票など紙に書かれたものを示すことが多いです。しかし、デジタルが一般的になってきて「紙文書及びマイクロフィルム文書の電子化プロセス」(JIS Z 6016:2008)では、「人の意思を文字、その他の記号、画像などの手段で、記録媒体などに記録したもの」と定義されていて、紙に書かれたものだけでなく、コンピュータで作成された文書も含まれるようになってきました。

◆紙の現状

紙は大きく分けると、紙(新聞用の紙、情報・印刷などに使う紙、トイレットペーパーなどの衛生用の紙)の分野と、板紙(段ボールやパッケージ用の紙)の分野に区分できます。

グラフ

(参照:日本製紙連合会のデータから)

上の表を見ると、この20年間で新聞用の紙、印刷情報用紙、包装用紙で大きく減少しています。一方、段ボールなどの板紙の分野は微減となっています。
新聞はネット情報が豊富になり紙の新聞からの情報に頼らないという変化があり、大幅に減少しています。

一方、段ボールはECサイトの活発化による物流が増大したことで大きな減少とはなっていません。

 

この中で注目したいのは印刷情報用の紙です。これは印刷物、伝票や各種書類、コピー用紙となります。
2000年の11.9百万トンから2020年には6.4百万トンと半減しているのです。
情報のネット化により紙の雑誌や書籍はその発行数は大きく減少しています。その結果、出版社や書店は経営に苦慮しています。様々な印刷物の減少により印刷会社も経営戦略を転換しようとしています。
紙による情報のやり取りは大きな変換点に来ているのです。

◆紙とSDGsについて

紙の総使用量は減ってきていますが、この紙の使用量とSDGsとは関連があるのでしょうか。
紙については面白いことに正反対の見方があります。それぞれについて紹介しましょう。

◇プラスチックのかわりに紙を使うという動き

紙は地球に還りますが、プラスチックは永遠に残ってしまい環境汚染につながります。だから、プラスチックを減らして紙の素材を利用しようとする動きです。
ファストフードのチェーン店などでプラスチック製のストローを使うことをやめて、紙製のストローを使うようする動きがあります。それ以外にも発砲スチロール製の梱包材を紙製の梱包材に変更する動きもあります。

◇紙を使うことをやめて、紙を使わないツールを使うという動き

無駄な紙の使用は森林伐採につながるので、できるだけ紙の使用を減らそうという動きです。
すでに説明したように印刷用の情報紙の使用量は大幅に減少しました。紙の代わりにITによるツールが多く使えるようになってきたので、コスト削減を含めて紙の使用量が減ってきているのです。

 

この二つの見方について、様々な団体が意見を出していますので、ご興味のあるかたは調べてみてください。

◆文書保存

「保存」と「保管」の言葉の違いをご存じでしょうか。広辞苑によると、
保存:そのままの状態で取っておくこと
保管:ものを預かって、壊れたりなくしたりしないように管理すること
となっています。

 

つまり「文書の保存」とは書かれた内容や書かれているものをそのまま残しておくこと、ということになります。
そして残しておくためには、それが無くならないように正しく管理(保管)されていなければなりません。

 

文書を「保存する」方法には、紙に書かれたものをそのまま紙で保存する方法、紙に書かれているものを電子化してデジタルで保存する方法、デジタルで作成された文書を紙に印刷して保存する方法、デジタルで作成された文書をデジタルのまま保存する方法の四つがあります。

 

保存する文書を「保管する方法」は、紙の場合は自社の書類棚や倉庫に保管する。又は外部の倉庫に保管するなどの方法があります。
デジタルの場合は自社のパソコンやサーバーに保管する。又は外部のレンタルサーバーやクラウド上に保管するという方法があります。

◆文書保存とSDGsの関連

文書保存について検討することとSDGsは一見、まったく関連が無いように見えます。しかし、文書を保存する考え方、方法などからSDGsに貢献できる部分が多くあるのです。

 

具体的にSDGsの目標の内、どの目標と合致するのでしょうか。
目標8:働きがいも経済成長も
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標14:陸の豊かさも守ろう
の三つが該当すると考えています。
具体的に関連を考えていきましょう。

 

紙の使用量の削減は陸の豊かさを守り、気候変動の対策になる

 

文書を保存する方法として4つのパターンがあることは説明しました。

 
写真

①紙で作られた文書を紙で保存する。
これは過去から行われてきた保存方法で変化はありません。

 

②紙で作られた文書をデジタルで保存する。
スキャンしてデジタルにすることで作られた紙文書を古紙に回すことができるので、再生資源になります。

 

③デジタルで作られた文書を紙に印刷して保存する。
これは紙文書を増加させてしまいます。無駄な行為と思う方も多いと思いますが、実際にはせっかくデジタルで作った文書をわざわざ紙に出してファイルで保存する企業も多いようです。
特に中小企業ではデジタルで保存するという行為そのものに慣れていないところも多く、どうしても簡単な紙での保存になってしまうようです。
2022年1月に施行された電子帳簿保存法では、このデジタルで作られた文書を紙に印刷して保存することは原本性が認められないこととなりました。(2年間の猶予期間あり)

 

④デジタルで作られた文書をデジタルで保存する。
これは現在ではかなり一般的になってきています。紙そのものを使わないので電気以外には資源を使いません。

 

②と④は紙を減らすこと、及び再生できる紙を増加させるという観点で森林を保護できるということになります。つまり、「陸の豊かさを守ろう」というSDGsに貢献していると言えます。また、森林が維持できるということは二酸化炭素の増加を防ぎ、温暖化という気候変動にも貢献できるといっても過言ではないでしょう。

 

デジタル文書の検索性、保管の簡便さにつながり、働きやすさを改善する

 

紙で保存されている文書のデメリットは何でしょうか?

写真

◇ファイリングが手間

紙文書を紙で保存する時には、別にどんな文書があるのかリスト化をしておかなければなりません。何故なら、あとでどこにその文書があるのかわからなくなるからです。

 

そして、その後、バインダーに入れる、クリアフォルダに入れるなどの方法で区分をしていると思います。そのためには紙に穴をあける、ホッチキスでとめる、などの作業が必要になります。
また保存しているバインダーに新たな紙文書を追加する時には、バインダーを開けてその中に新たな文書をきちんと並べなければなりません。
つまり、きちんと紙文書を保存するためには多くの物理的な労力が必要となるのです。

 

デジタルの場合にもリスト化は必要です。しかし、ファイル名やフォルダ構造がしっかりと決められていれば、作られた書類は画面上でカーソルを動かすだけで、保管場所に移動することができます。

 

◇見たい文書になかなか行きつけない

また、過去に保存した文書を保管場所から探す場合はどうでしょうか。紙文書の場合、バインダーの中を一枚一枚探した経験はありませんか?
デジタルの場合は検索性に優れています。すぐに目的の文書にたどり着けます。

 

文書がデジタル化(電子化)されると労働時間の削減につながることは容易に想像できると思います。
つまり働く人はもっと働きがいのあることをする時間が増えることになります。
日本の労働生産性は先進国の中では非常に悪いと言われています。文書保存がデジタル化することにより、労働生産性があがり、自分が自分のために使える時間が増加すれば、SDGsの「働きがいも経済成長も」にもつながる可能性があります。

◆まとめ

文書保存とSDGsについて、まとめてきました。
最後になりますが、紙文書というのは放置しておくと、間違いなく増加します。自分たちが作成しなくても、外部から紙が入ってきます。必要と思われるものはスキャンして電子で保存するという方法もあります。
しかし、使うかどうかわからない紙文書をスキャンする手間を考えると放置してしまう、ということがほとんどでしょう。

 

このような状況になるのを避けるためには、意識してオフィス内の紙を削減することが必要です。
発生した紙文書はオフィス内に置かないことを徹底してみてはどうでしょうか。

 

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この記事は2022年3月22日時点の記事です。

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